掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)と鍼灸治療
<概要>
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)は膿疱といわれる皮膚疹が手のひらや足の裏に多数みられる疾患です。
小さな水ぶくれ(水疱)から次第に膿疱(皮疹)に移行をする経過をたどり、これが良くなったり悪くなったりと周期的に繰り返すのが特徴です。
発症の頃によく痒みを感じることが多く、その後かさぶたとなり、角層がはがれ落ちます。
また、併発する症状として鎖骨や胸骨の上中央(胸鎖関節)やその他の関節が痛くなることがあります。
膿疱が多く出たり、痒みや痛みがきつい場合には、ステロイド軟こうを使うなどの対症療法をされている方がほとんどです。
<治療について>
ステロイドをはじめとするお薬では、発症原因に沿っているものでなければ効果が持続しません。
掌蹠膿疱症におきましても歯科金属によるアレルギーや喫煙の関与も指摘されますが、実際は原因が見つからないことが多くあります。
西洋医学の診断では異常がないものでも、東洋医学の視点から診るとカラダの不調が認められるケースはよくあります。これを『未病』(みびょう)といいます。
病院の検査で原因が明確にならないものでも、未病(みびょう)の観点から診察していくとその原因が明るみになることがあります。発症原因が分かれば、治療方針がたちます。
当院では、お体の状態を把握してから患者さまに治療方針をお伝えし、身体各所にあるツボへ鍼をして身体のバランスを整えます。
カラダの不調を起こす原因への治療を主とするため、手足の膿疱のある患部への刺鍼はいたしません。
鍼灸をされた患者さんをみますとほとんどの症例が軽快して自然に治る経過をたどります。それまでに症状(胸鎖関節痛など併発症状も)を軽くして生活に支障がないほどに維持していくことが大切です。
掌蹠膿疱症は、病院での治療に加えて積極的に鍼灸治療を取り入れると、より早い治癒が期待できます。