うつ症状

<概要>

うつ症状は、物事に対する関心や取り組む意欲がなく、何もする気が起こらない症状が一日中続くということがあります。この状態がほとんど毎日、2週間以上にわたって続いたものがうつ病の特徴とされます。一時的で、日常生活に支障を来さない気分の落ち込みは、うつ病とはいいません。

また、「眠れない」「疲れやすい」「不安や焦燥感」「おいしく食べられない」「過食」「極端に眠り過ぎる」などの症状も伴うため、日常生活に大きな支障を来したりもします。

原因としては、精神的・肉体的な疲労がたまっていくうちに、脳の中にある意欲や気分を調整する「セロトニン」や「ノルアドレナリン」といった神経伝達物質の働きに異常を来してしまい、諸症状が起こると考えられています。

うつ病は誰にでも起こりうる病気です。いま日本でも600万人以上の方がうつ病にかかっていると考えられますが、実際に治療を受けている方は、そのうちの1/4程度とされます。患者様の多くは適切な治療を受けていないという実態があります。

<治療について>

東洋医学では、不快な症状には臓腑(東洋医学の臓器)の変動から起こるという診方をします。つまりは体の調子が整っていないために、さまざまなつらい症状が起こる、又は精神状態が落ちつかないと考えます。

不定愁訴(不快な症状の総称)から体のどこに不調があるかを考察しながら、患者様の現在の体の状態から治療方針を導き出します。

鍼灸に用いるツボというのは、体中に数百とあるのですが、お一人お一人の患者様に適したツボがあります。そのため診断から選穴(ツボを選ぶ)ということは治療において大切なポイントです。

体を良い状態に保つと、つらく不快な症状をはじめ、心(精神的に)もしっかりと落ち着いてきます。 適切な治療をすることによって少しずつ効果が出てきます。