双極性障害と鍼灸治療
<概要>
双極性障害は、気分障害と分類されている疾患のひとつです。
うつ状態だけが起こる病気をうつ病といいますが、うつ状態に加え、対極の躁状態(気分が高揚していて、テンションが高くなる)も現れ、これらをくりかえす疾患です。
以前は、躁うつ病と呼ばれていましたが、現在では両極端な症状が起こるということから、双極性障害と呼んでいます。
はっきりした躁状態がある場合は双極 I 型障害。
軽躁状態とうつ状態を繰り返す場合は、双極 II 型障害と分類されます。
軽躁状態は、調子の良い状態と感じるので、双極 II 型障害は本人やご家族にとってはうつ病と区別がつきにくいものです。
双極性障害は、心療内科などでの治療法や対処法が整っており、お薬でコントロールすれば、それまでと変わらず生活することが十分に可能です。
<治療について>
来院される患者さまは、すでに心療内科等にかかられており、お薬の治療と併用で鍼灸治療を希望されます。
東洋医学では、不快な症状には臓腑(東洋医学の内臓)の変動から起こるという診方をします。
臓腑の働きが弱っていると、体の調子が整いにくく、さまざまな身体症状が起こる、又は精神状態が落ちつかないと考えます。
当院では、問診をはじめ脈診と腹診から、患者様の現在の状態から治療方針を導き出します。
鍼灸に用いるツボは、体中に数百とあるのですが、お一人お一人の患者様の症状や体調に適したツボがあります。
このため診断から選穴(ツボを選ぶ)は、治療において大切なポイントです。
体を良い状態に保つと、身体症状をはじめ、心(精神的に)もしっかりと落ち着いてきます。
そして双極性障害に関しては、改善してからも予防のために定期的な治療が大切と考えております。