坐骨神経痛の症例
春先から坐骨神経痛の症状を訴えられる患者様を多く診させていただいております。
一つ症例をあげます。
70代・女性の患者様で、イスなどに座ると右臀部から大腿部(ふともも)の裏側にかけて強い痛みを感じる。イスから立ち上がる動作や、歩行開始時に同じ患部に痛みあり。
所見では腰や臀部の筋緊張もありますが、足の長さが左右で違っておりました。足の長さが違うということは、骨盤または股関節の部位に着目します。
そうすると、痛みのある側ではなく反対の左側の股関節周囲に強い緊張が現れていました。この部分は経絡(けいらく)でいうと胆経の場所になります。左股関節にはごく軽い施術をおこなう。
またこの方は、からだ全身の硬直と両手の震えを主訴とされていました。
筋肉の硬直は臓腑で考えると「肝」。証(治療方針となるもの)は肝虚証と考察しました。
本日来院して下さったのですが、イスに腰をかけても痛みはなしとのこと。足の左右の長さもまだ少しズレがありますが、整ってきました。左股関節周囲の緊張もやわらぐ。
坐骨神経痛の症状が出てから7回の治療で完治。次回からも主訴改善に向けて治療を継続して下さいます。