食欲不振と鍼灸治療2

食欲不振について、具体的に行う治療を一つ紹介していきます。

胃や腸といった消化器系の機能が低下している患者様の背部は硬く触れるケースがよくあります。もちろんこれは絶対ではありません、患者様の身体は同じ傾向ばかりではないのです。

当院では、一つの目安として背部から腰部へ移るカ所までにある、膈兪・肝兪・脾兪のツボの反応を診ていきます。これは有名な胃の六つ灸という施灸方法で使用するツボです。

脾兪の「脾」とは東洋医学では消化器全般を司る臓腑です。また肝兪の「肝」は疏泄機能という全内臓の働きを助ける作用を持ちます。肝が健全に機能していると、消化器系も活発に働くのです。

逆に、肝炎や脂肪肝などで肝数値が高いケースでも、胃の六つ灸を用いることで肝臓の治療が成功する例も多いです。東洋医学では肝臓が胃や腸の機能と関係していたり、他にもそれぞれの臓器が関わりながら互いの機能を健康に維持しているとします。

これは症状を一つに着目せず、身体の状態から治療方針を考える東洋医学の特徴の一例でもあります。

 

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