便秘
<概要>
便秘とは5日以上も排便がなく、便が硬くなってなかなかでない。毎日排便があるのに、残便感があり、すっきりしない症状のことをいいます。
■弛緩生便秘
主に腸の働きの低下が原因となりおこります。便意はあるがなかなか排便できず、腹部が張りを感じやすいです。便を送り出す力が弱まり、腸の動きが悪くなることが原因で起こる便秘です。高齢者や妊娠経験者に多くあらわれる症状です。
■習慣性便秘
便が直腸内に送られても正常な排便反射が起こらず、直腸内に便が停滞する 。排便反射は我慢していると数分で止まってしまうという性質があります。便意があるのに排便を我慢することを繰り返すうちに、直腸が鈍感になってしまい、便が肛門の近くまで来ているのに、なかなか出せないといった状態になります。
■ケイレン性便秘
大腸のぜん動運動という働きが強いために起こります。ストレスや睡眠不足などにより、自律神経が乱れて副交感神経の過緊張などが起こり、腸が過敏に反応します。大腸が痙攣した状態になって便の運びが悪くなることで起こります。便意は強いのですが、なかなか出てこなく、出たとしても少量のコロコロとした硬い便であったり、スッキリしない残便感があったりします。
このように年齢による腸内環境、精神的ストレス、仕事などでトイレを我慢する、食生活、妊娠、など様々な原因があります。いつから・どのようにして便秘症状が出てきたかを問診してからだの状態を把握します。
<治療として>
鍼灸治療の診断の際にも、様々な角度からからだを診察します。
例えば産後の方、高齢者で虚弱体質の方に多く見られるケースでは虚秘証というものがあります。東洋医学では気・血が不足している状態をさします。こうなると胃腸や他の臓器も機能が衰えるために便秘が起こります。このケースは体内で気や血を作って、しっかり体力が出てくるように治療をしていきます。
他にも、からだの内にこもる熱が胃腸にとどまって、腸内の潤いが足らず便が通じない実熱証というものがあります。これにはからだの内にある余分な熱、胃腸の熱を冷ますツボを選び施術をしていきます。この場合は慢性的な症状が考えられるので、からだを整えていく定期的な治療で改善していきます。
東洋医学は患者さんのからだの状態をみて治療をします。そのため日頃の生活においての養生法も、ご希望があればひとり一人のからだにあわせてお伝えいたします。