むち打ち症
<概要>
むち打ちとは、首の運動範囲を超えて伸展または屈曲されることで首の関節や靭帯、筋などを傷めた状態に起こる症状です。むち打ち症は自動車事故で後ろからの追突が原因となる例がとても多いです。自覚症状が主で、レントゲン・MRIに異常をきたさないことから、整形外科などで適する対処が出来ないケースが目立ちます。むち打ち症は症状に基き、以下の3つに分類されます。
■頚部捻挫型
頸椎をとりかこんでいる筋肉や靭帯、関節包の損傷で主に頚部、肩、背中の疼痛、上肢のだるさ・しびれ、頚部の運動制限の症状があらわれます。
■神経根型
頸椎に歪みができると頸椎から出る神経の通りが圧迫され、首の痛みや頭痛、腕や手指のしびれ、感覚麻痺、痛み、重だるさ、筋力の低下、首や肩の関節の運動制限などがあらわれます。
■バレ・リュー症候群型
後頚部交感神経が損傷、圧迫を受けると、自律神経(主に交感神経)が刺激を受けていることで眼精疲労、視力低下、頭痛、めまい、耳鳴り、吐き気、喉の違和感、嚥下困難、心臓部の痛み、脈の乱れなどの症状があらわれます。
<治療について>
早い時期から治療を開始して患者さんに必要な施術を一定の期間行うことにより、むち打ち症状やその後遺症に悩まされず軽快される方も多くおられます。
当院では頚部の状態も診察するのですが、主としてからだの状態を診て治療を進めていきます。東洋医学の診方は、例え外傷によるけがや後遺症でも、それによって起こるからだの変化を観察して治療につなげます。臓腑(東洋医学の臓器)で考えてみると「肝(かん)」は筋肉や靭帯などに、「脾(ひ)」は関節の軟部組織の状態に関わりが深いのです。何らかで損傷したからだの組織は、臓腑にもその影響が出てきます。そのため変調をきたす臓腑からのアプローチをまず行います。
損傷部位である頚部にも治療を行います。この部位の治療内容はほとんど刺激を加えないようにすることがポイントです。頚椎症やむち打ち症には、患部付近の血行が滞っている(血行不良)所見が診られます。これには温灸や刺絡(しらく)といった、血行を改善させる目的の施術を行います。からだに負担がかからないことを第一に、ご提案させていただきます。
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