心臓神経症と鍼灸治療
<概要>
循環器科で検査を受けても、心臓には問題はないのに、動悸、胸痛、締め付け感、息切れ、など心臓の病気を思わせる症状を、一般的に心臓神経症といいます。
医師の診察や、検査で異常がないといわれても、「自分の心臓には病気があるのではないか」と不安を抱きつづける患者さまが多くおられます。
心臓は本来、体を動かせばその運動量にみあった血液を体に送り出すためによけいに働きます。また怒りや悲しみ、興奮したり、うれしいなど精神的な刺激にも、敏感に察知し、体の機能維持のために働く臓器です。
心臓神経症でなくても動悸が起こったり、脈が乱れたりすることは普通でも起こるのものですが、強い自覚症状があればやはり不安ですよね。心臓神経症と診断された方は、一度ご相談ください。
<治療について>
心臓神経症は多くの場合、ストレスや過労、不安感、不眠などが引き金になって起こります。診させていただく患者さんにたずねると皆様いろいろなストレスに悩んでいることが分かります。
当院では、ストレスに対処が出来る丈夫な体づくりを治療方針として、自律神経の乱れから起こる疾患に多くの臨床経験と実績があります。
東洋医学・漢方医学では、不快な症状には臓腑(内臓)の変動から起こるという診方をします。いい方を少し変えますと、体の内から調子が整っていないために、さまざまなつらい症状が起こる、又は神経症状が落ちつかないと考えます。
体中には鍼灸で用いるツボは数百とあるですが、お一人お一人の患者さまに適したツボがあります。そのため診断から選穴(ツボを選ぶ)ということは治療において大切なポイントです。
ツボの多くは内臓の調子を整える作用もあるため、体の内から調子を整えることができ、結果ストレスに対応できる、症状が改善して、再発が起こりにくくなる体づくりが出来るのです。
鍼灸治療は、体の緊張をやわらげることにも優れており、神経に対して効果的に働きかけ、心臓神経症のさまざま症状を緩和できる手当療法です。