逆流性食道炎

<概要>

食道と胃の間は、胃から胃酸や食べ物が食道へ流れてこない(逆流)様に、一定の圧力がかかり閉まっています。しかし、何らかの原因で胃酸が食道へ逆流して、その酸が原因で食道粘膜に炎症をおこしてしてしまう症状を「逆流性食道炎」といいます。 逆流性食道炎は、ストレス、喫煙、不規則な食生活、肥満などの現代日本人の抱える健康問題とともに増えています。 逆流性食道炎の症状には、胸やけ(胸がやけるような感じ)、ノドの違和感(何かがひっかかる、つまる感じ)、ゲップ、胃が重たい、おなかが張るなどがあります。これらの症状が普段から頻繁に続くと、逆流性食道炎の可能性があります。

<治療について>

五臓(東洋医学の臓器)のうち「脾」と「肝」の状態がカギとなります。「脾」は消化をつかさどる機能があります。また食べものから得た栄養素をからだ中に送るために、順番としてまず上半身に運びます。これは上昇作用という「脾」の機能です。上昇作用が強く作用すると胃酸が逆流しやすくなり、逆流性食道炎を起こします。次に「肝」には疏泄(そせつ)という作用があります。疏泄作用は全身の内臓の働きを円滑にする重要な機能をさします。「肝」の疏泄がうまくいっていると消化器系の内臓の働きもスムーズにいきます。反対にうまくいかないと消化器系の内臓の働きがにぶくなっていきます。この他に胃の裏にあたる背中に存在する胃のツボの反応を診て治療を加えます。そしてストレスなどで緊張したからだを柔らかくする必要もあります。治療をかさねるにつれて、逆流性食道炎の症状は改善してゆくでしょう。